エレンとアルミンの会話
最終回の冒頭は子供の姿のエレンとアルミンの会話から始まります。
と言っても姿が子供なだけで時間軸としてはおそらくつい最近で、道を通じてエレンが話しかけている模様。
ここで、エレンはパラディ島の仲間の為に人類を滅ぼそうとしていた事を話しています。
ここまで孤独に自己犠牲を貫く主人公も中々居ないですし、分かったころにはもう後戻りできない所まで来ていたので、辛い展開です。
ユミルを救うのはミカサ
エレン曰く、始祖ユミルはカール・フリッツを愛していたので、2千年もの間フリッツに従い続け巨人の力が消えなかったそうです。
そのユミルを愛の苦しみから解放してくれるのがミカサでした。
作中でその理由は明言はされてないものの、おそらく同じようにエレンに縛られ続けていたミカサがエレンを殺すという選択をする事で、ユミルも同じようにフリッツの束縛から解放されたんだと思います。
「2千年も待つような事なのか」とちょっと突っ込みたくはなりますけどね。
ダイナ
最初に壁が破壊された時、何故ダイナがベルトルトをスルーしてカルラ(エレンの母)の所へ向かったのかはずっと考察されてきましたが、今回遂にその謎が明かされました。
何と、ダイナを操りカルラの元へ向かわせたのは未来のエレン自身でした。
あの日ベルトルトが死んでしまうとアルミンが超大型を継承できなくなってしまうし、ベルトルトを食べたカルラが超大型を継承してエレンとも接触しなくなってしまうし、そもそもカルラが食われなければエレンが巨人を駆逐しようだなんて思わなかったので全てのシナリオが狂ってしまうわけです。
いくらこの結末を迎えるためとはいえ、巨人を操って自分の母親を殺さなければならないとは・・・
エグイ事考えますね諫山先生は。
情けないエレン
本当に辛い話ばかりでしたけど、最後の最後で本音を話し昔のダサい姿を見せてくれたエレンはほほえましかったです。
こんな本音を隠して今までずっと演技してたなんて、エレンはとんでもない演技派ですね。
巨人の力の消滅
ミカサがエレンを殺したことでユミルがフリッツの縛りから解放され、世界から巨人の力が消滅しました。
それにより、ムカデに巨人化されていた皆も元に戻りました。
ジャンとコニーが無垢の巨人にされた時は本当絶望したので、元に戻ってくれて嬉しかったです。
ぬるいと言う人も居るのは分かるけど、私は素直にほっとしました。
リヴァイの涙
巨人の力がこの世から消えていった様を見たリヴァイの前に、今まで死んでいった調査兵団の亡霊が現れました。
死んだのは大分前ですが、リヴァイ班が1番前に描かれているのが印象的でした。
その亡霊たちに結末を告げ、涙を流しながら初めて”心臓をささげよ”の敬礼をするリヴァイ。
個人的にはこのシーンが1番感動しました。
最初で最後の敬礼を最終回で持ってくるとは、粋ですね~。
言い方は悪いですけど、調査兵団は最もエレンに振り回された人たちと言っても過言では無いので、最後の最後で報われて良かったです。
どれだけ仲間が死んでも泣かなかったリヴァイが涙を流したのもグッときました。
人類を救うのはアルミン
未だに巨人の力を持っていると疑い銃撃しようとするマーレ軍を説得するアルミン。
昔、無能な小鹿を説得していた時と同じような構図ですが、顔に自信が満ち溢れていますね。
エレンが言っていた「人類を救うのはアルミン。お前だ。」という台詞はこれの事を言っていたのでしょう。
巨人の力が無くなった後の世界で、国や人種という壁を越えて橋渡しの出来る存在になり、真の意味で人類を救う、それがアルミンだったと。
エピローグ
地ならしから3年後、エルディア国はイェーガー派が取り仕切る軍を結成し、日々軍備を増強中。
地ならしを生き残った人たちの報復を恐れ、戦いを仕掛けようとしていました。
地ならしが起きてもやはり世界から戦争が無くならないというのは、多分現実世界の比喩なんでしょうね。
完全な平和は訪れないというメッセージなのかもしれない。
そんな状況の中、パラディ島に和平交渉をしに向かうアルミン達。
相変わらずヒストリアにぞっこんの気持ち悪いライナーやミカサ好きなジャンが久々に見れて、ちょっとニヤニヤしてしまいました。
また、成長したファルコ・ガビやリヴァイ・オニャンコポンの姿も描かれていました。
ファルコとガビが予想以上の美男美女でびっくり。
ミカサ
その頃、ミカサは1話の木の下でエレンのお墓に向かって話しかけています。
1話で木に十字架が掘られていたのでこれがエレンのお墓を意味していたわけですね。
本当に進撃は1話から最終回までちゃんと考えた上で描き始めてた事がよく分かります。
そしてラストはもう1度エレンに会いたいというミカサのマフラーを、飛んできた鳥が巻いて終了。
ずっと縛られ続けてきたエレンが生まれ変わって、自由の翼を持つ鳥になれたんでしょう。
作中何度も出てきた鳥も、実はエレンだったのかもしれない。
最後のコマで自由の翼だけが映ってるのも粋ですね。
余韻ぶち壊しのあとがき
ラストのコマの次のページにあとがきがありました。
てっきり諫山先生が書いたのかと思いきや、書いたのは編集部。
余韻ぶち壊しです。
色んな意味でオレ達の戦いはこれからだ!!!なのかもしれませんけど、そんなのは別の所に書いてくれませんかね?
諫山先生本人がふざけてるならまだしも、編集部が書いてると思うとイラッとします。
空気読めてないわー。
あとこの邪魔な文章消して後ろの鳥見せてくれないかな。
まとめ
編集部のあとがきが最悪なのは疑いようのない事実として、個人的に最終回の内容は”まあまあ”って感じでした。
11年7か月の積み重ねがあるので感動できるポイントは幾つもありましたし綺麗に終わったとは思いますが、ちょっと駆け足気味な印象はありました。
あえて読者の想像の余地に任せてる所もあるんでしょうけど、ここまでやって来たわけですからもっと丁寧に描写しても良かったんじゃないかなと思います。
終わり方がぬるすぎるとか、結局戦いは終わってないという批判に関しては気持ちは分かりますけど、私は別にこれで良かったと思います。
まあ、これだけ長く続いて世界中にファンもいる作品ですから全員が納得する結末というのは存在しないでしょう。
ただ、歴史に残る作品だったという事だけは間違いないと思います。
とにかく伏線回収がすごい漫画だったので、時間があればまた1巻から読み直したいです。
諫山先生本当にお疲れさまでした!
アニメが遂に完結
10年かけてアニメが遂に完結しました。
コメント
前回と一話の「いってらっしゃい エレン」から
最初から最後までこのお話は二人の物語だったと言えるのかなと
であるなら巨人の謎とかその後の世界とかは舞台装置のようなものと
思うようになり、そこら辺はあまり気にならなくなりました
確かにそういう考え方も出来ますね
またひとつの作品が無事に終わりましたね
近年まで売れる作品が無意味に延長されるようになってたけど、こうして物語が終われるのは読者としてもキリがよかったのかなと
評価は人それぞれでしょうがひとまずお疲れ様でしたと言いたい
いやーまさか、ユミルがずっと待っていた人が、ミカサだとは予想つきませんでしたよー。
行ってらっしゃいエレンのところとか、あの丘の木のところとか、一話のはじめ、マーレ編のはじめの鳥のシーンとかからもう既に全ての物語は始まっていたんですねー。
諫山先生、凄いですね!