作品概要
降泡現象で泡(バブル)が降り注ぎ水に沈んだ東京。
そこで家族を失った一部の若者たちが生活資源を賭けてパルクールのチームバトルを行っています。
そこである日主人公のヒビキが不思議な力を持つヒロインのウタに命を助けられるところから物語は始まります。
監督は進撃の巨人の荒木哲郎さん、脚本は魔法少女まどか☆マギカの虚淵玄さん、キャラデザはデスノートやバクマン。で有名な小畑健さん、音楽はアニメ作品ではすっかりお馴染みの澤野弘之さん、そして進撃の巨人で世界に名をはせたWIT STUDIOが製作を勤めるドリームチームで製作したアニメ映画です。
映像美
荒木さんとWIT STUDIOのタッグという事で映像の迫力はすごかったです。
youtubeの予告映像を見てもらえば分かる通り、進撃の巨人の立体起動のように大胆にカメラアングルを変えて様々な角度から描かれるパルクールは中々他の会社じゃ真似できないんじゃないでしょうか。
この気合いの入ったパルクールのシーンが4,5回はあったので、迫力のある映像を見たいと言う人はそれだけで満足かもしれません。
ただ見せ場のパルクールシーンは気合いが入ってるんですが、それ以外での作画はそこまでレベルが高いわけでも無く、所々動きがぎこちなかったり顔の描き方が簡素になっている部分もあります。
声優
声優は殆ど本職の方が勤めていますが、主人公とヒロインとマコトというサブキャラは違います。
志尊淳さん
主人公のヒビキはクール系であまり感情を表に出さず叫ぶ事も殆どありません。
にも関わらず下手だなあと思ってしまったので志尊淳さんの演技は結構酷かったです。
ラストの泣きの演技だけはまだ良かった気がしたけど。
りりあ。さん
ヒロインのウタはわけあってほぼ喋らない上に喋ったとしても淡々としてるので、りりあ。さんもかなり下手だったんですけど言うほど気になりませんでした。
とにかく唐突に歌い始めるキャラで且つエンディングテーマもりりあ。さんが勤めているので、そこありきのキャスティングなのかなと。
広瀬アリスさん
最後にサブキャラのマコトを演じた広瀬アリスさんですが、思ってたより上手かったです。
マコトはヒビキ・ウタと違って明るいキャラで結構セリフ量も多いんですけど、特に違和感なく聞けました。
ご本人がアニメ好きなだけあってそれっぽく演じられたんでしょうかね。
ストーリー
先行公開を見た人たちに最も批判されていたのストーリーですが、やはり酷かったです。
まずこの導入が無理やりすぎて付いていけない。
水に沈んだんだったら東京を出て普通に暮らせよって話なんですが、「外の世界はあの子たちには合わないのよ・・・」みたいなセリフだけで片付けられてしまいます。
なお、全員バブルで東京が沈む前から普通の生活をしていたので何故合わないのかは不明。
しかも生活物資が不足している所でそれらを賭けてわざわざ危険なパルクールをするのも全く意味不明で、やはり「外行けよ」とツッコミたくなってしまう。
また、危険なシーンで「無駄にクルクル回ってんじゃねえよ」とツッコミたくもなってしまう。
これらの疑問は最後まで解消される事は無いので、こういうストーリーを書きたいから無理やりこうしたんだと開き直って見ないとずっとモヤモヤしてしまいます。
また、バブルが何なのかも結局よく分からないままなのでスッキリせず最初から最後まで「どうしてこうなった?」という感想。
人魚姫をモチーフにしたストーリーという事ですが、それを再現するために作られた説得力の無い世界観と設定で感情移入できませんでした。
ストーリーがどんな物か確認したい人はジャンプ+でコミカライズされてて無料で読めるのでこちらをどうぞ。
まとめ
新海誠さんの作品が流行って以来乱造されている”非日常の中ボーイミーツガールで描かれるセカイ系作品”の1つでしかありませんでした。
おまけに東京が水に沈むという設定が似ているので、乱暴に一言で表してしまうと劣化版天気の子という感じ。
製作陣が豪華でも必ず面白い物が出来上がるわけじゃ無いんだなと思いました。
興行収入
興行収入が爆死してるみたいです。
ネットフリックスで先行配信したからもう見ないって人も居るでしょうけど、先行配信での評判が悪すぎたってのも影響ありそう。
やっぱり声優とストーリーがね・・・
コメント
A「イケー」
B「イケー」
C「イコウ」
D「イッケー」
予告編のこれでゲンナリした